
取材
今回は、沖縄県石垣島で黒毛和牛の繁殖に携わっている眞榮城さんのインタビューです。
非常に珍しい経産牛の牛肉の販売と、経産牛の革を使用した製品やTシャツやステッカーなどのオリジナルグッズも販売されています。
インタビューのZOOMが初対面。「ものすごくパワフルでなんでもできちゃう人で、忙しいはずなのに、レスも超早い!」という前評判を胸にわくわくしてインタビューに挑みました!
牛に関わる仕事
もしかすると一般の方にはあまり馴染みがないかもしれない畜産農家。
実は牛を育てる仕事には「繁殖農家」と「肥育農家」とに分かれています。今回のまえしろファームさんは繁殖農家。お母さん牛を飼い、人工授精で妊娠させ、子牛を産ませるのが仕事です。
黒毛和牛の子牛は繊細で身体が弱いため、丈夫でしっかりと育て上げるには高度な技術が必要だそうです。沢山の愛情と手をかけて育った子牛は9~10ヶ月ほどでセリ市場で販売し、全国各地の肥育農家が購入。
そして肥育農家は、その後20ヶ月ほど肥育という飼い方をして、各地の銘柄牛として出荷をするという仕組みになっているそうです(ちなみに今回、インタビューをしている久保は肥育農家です)。

眞榮城美保子さん
いのちをいただく、ということ
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、お産を経験した牛のことを経産牛と言います。お母さん牛達は、段々年を経ると繁殖能力が低下して子供を産めなってしまうそうで、通常ならセリで販売されていくそうです。
長年、まえしろファームに貢献してくれたお母さん牛だからこそ、感謝を込めて食べてあげたい、「みぃふぁいゆ~(石垣島の方言でありがとう)」の気持ちで肥育して、お肉も、皮も、骨も、脂も、全身まるごと、無駄にすることなく使ってあげたい。そんな気持ちから、経産牛の商品化を始めたそうです。いろいろな部位に分けパッキングしてあるお肉や、実用的でおしゃれな革製品となり、まえしろファームの牛たちは活躍し続けます。

牛舎での表情からその気持ちが伝わります

大切に育てられているお母さん牛たち
自分の居場所は自分で作る!
大阪のご出身で、元々動物が大好きだった眞榮城さんの夢は「女ムツゴロウさん」だったそうです!大学の実習中に出会った沖縄の牛の魅力にハマり、沖縄で牛飼いになって独立することが目標に。それを叶えるために石垣島で研修をうけている時に出会った夫さんと結婚し、まえしろファームに参加することになりました(馴れ初めは配信で!)。
田舎、農家、嫁。この3つの言葉が揃うと、ついそわそわしてしまう私ですが、慣れない土地に住み、嫁という立場で仕事を始めた眞榮城さんにも「居場所がない」と感じ、悩むこともあったそうです。わかります!でも彼女は「居場所は自分で作る」とさまざまな活動を始めます。
ネガティブになって、居場所のなさを周りの環境や人のせいだと思ってしまうこともありますが、彼女はそうではありません!
同じ立場で元気がなくなっている方にもぜひ聴いて欲しいです。自分で動くことでしか、自分が納得する居場所はできないかもしれませんよ!

サラっと言ってくれましたが、とても重みのある言葉でした
全国牛ガールの会
そんな彼女が作ったのが「全国牛ガールの会」。同じような悩みを持つ人たちを支えていきたいとオンラインサロン形式で運営をしています。離れている場所でも繋がることができるように、オンライン交流会や掲示板でのチャット交流を中心に活動しているそうです。
オンラインサロン入口、活動のまとめはこちらから
そして新情報。2023年6月24日には、「和牛を愛する人の会」という会を那覇市で開催するとか!こちらは和牛の生産者、関連業種の方、とにかく和牛が好きという方どなたでも参加できるとのことです!気になる方はぜひぜひチェックしてみてください!
詳しくは、眞榮城美保子さんインスタグラムをご覧ください!

活発に情報発信されているインスタで、活躍を追ってください!
まえしろファーム情報集
ネットショップ:https://maeshirofarm.base.shop/
Youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCxJI3J9es6S_7qbNAJQLV7w
全国牛ガールの会:https://lounge.dmm.com/detail/5146/
眞榮城美保子さんインスタグラム:https://www.instagram.com/maeshiromihoko/
取材後期
「やりたいと思ったことはもう全部やったかも」と言い切った直後に、「やっぱりまだあったー」と次々出てくる眞榮城さん。仕事に家事に育児に、毎日本当にやることがたくさんある中で、こんなに楽しそうに語ってくださって感動し、脱帽しちゃいました。言葉で言うことは簡単だけど、文字通り全て行動に移してきた眞榮城さんのお話が面白すぎて、色々聞きたくて、ついつい長話してしまいました(眞榮城さん、お付き合いありがとうございました!!)。
畜産も酪農も農業も、置かれている環境は年々厳しくなってきていると感じることが多々ありますが、それぞれが生産しているものに向き合いながら、自分達の力で課題を解決していくことを諦めないこと、冷静に情報を判断して行動に移していくことを続けていきたいと、インタビューのあとしばらく考え込んだ内山でした。環境や大きなものに対して文句を言うだけは意味がないですよね。最近の農家のSNSは愚痴が多くてちょっと悲しいのですよ…。解決のために動くことが我々のすべきことです。うんうん。
さて、このインタビューはZOOMでお顔を見ながら行っているので、皆さんが夢や今後を語るときの表情の輝きにいつもドキドキしています。最近ちょっと元気が出ないな…という同じ立場の皆様、1時間ちょいでまとめるのは本当に難しいのですが、ギュっと詰めてありますので、ぜひぜひお聞きください!!
次回は初の試み、roughlyの運営メンバー5名によるトークをお届けします。今段階まだ未収録ですが、結成、運営、これからのことなどをお話しできたらと思っています。
相変わらず一度も全員集合することがないまま運営を続ける私たちですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです!
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