
取材&編集後期
NPO法人田舎のヒロインズ 理事長 大津愛梨さん
農業女子と呼ばれる人で、この人を知らない人はいないのではないでしょうか。
熊本県は南阿蘇にていや農業に…いや、農業というひと言では括ることが難しいほど、さまざまな活動をなさっている大津さんの登場です。
なんと、大津さんのことを知ろうとすると、あのウィキペディアが検索トップに出てきます。ものすごいお方です。ですが、配信ではウィキペディアだけでは知ることのできない大津さんのお茶目な一面もお聴きいただけると嬉しいです!
大津エリさんって?
そのウィキペディアによると・・・『大津愛梨(おおつえり)は熊本県阿蘇郡南阿蘇村の米農家、NPO法人田舎のヒロインズ理事長。農業発展に貢献した人物を顕彰する国連食糧農業機関(FAO)の「模範農業者賞」を、日本人で2番目に受賞したと』あります!!
日経womanのウーマン・オブ・ザイヤー2008に選ばれたり、
つい先日は公益財団法人イオン環境財団による第7回「イオン生物多様性みどり賞」のグランプリを受賞。南阿蘇でのランドスケープ農業の実践と提唱が高く評価されての受賞とのこと。
また、第50回目となる毎日農業記録賞では、「農業・農村のリベラルアーツ的価値(一般教養として身に付けるべき知恵やスキル)に関する論文」で、優秀賞も受賞なさっています。
再生可能エネルギーに明るいエリさん。NPO法人九州バイオマスフォーラムでの活動もなさっていました。エネルギー関連の啓蒙活動をしながらも田舎のヒロインズの運営にも携わります。

大津愛梨さん(NPO法人田舎のヒロインズHPより)
夫さんとの出会いと留学〜就農して4人の子育て中
プロフィールに戻りまして、慶應義塾大学卒業後にドイツ留学、数々の受賞歴、論文やグローバルな活動への高い評価を聞くと、もう私たちは平伏すしかないのですが…。実際に大津さんのお話を聞いてみると私たちにも共通するところが見えてきてぐっと親近感が湧いてきちゃいました。
4人のお子さんを育てる母としての子供たちに対する愛情たっぷりのエピソードや、大学在学中に釣り上げた(!)という夫さんとの就農までのお話などなど、ぜひぜひ配信でお楽しみください!
そして配信といえば、田舎のヒロインズのポッドキャスト番組もお持ちで、こちらではもっとたくさんの大津さんの話を聞くことができますよ!さらに、畑で使えるワンフレーズ英会話も収録されています!興味のある方はぜひぜひ。
耕す女(ひと)の耕すラジオ

南阿蘇に広がる風景。美しいです!

耕すラジオは配信1周年を迎えたそうです。おめでとうございます!
O2ファームの農業
大津夫妻が営むO2ファーム。
米の生産とあか牛の肥育を中心に経営されています。お米はコシヒカリを6.5ヘクタールで耕作。無農薬と微農薬で栽培をしています。
そして叔父さんと一緒にあか牛の繁殖事業もなさっています。あか牛たちは阿蘇の麓のこの地でで放牧されています。お米の収穫後の稲わらを食べ、消化したものを堆肥に活用をしているとのことで、昔ながらの方法での循環型農業を実践されています。

稲刈り時期の農園。6.5ヘクタールほどの耕地でコシヒカリを栽培

あか牛は放牧されているそう。阿蘇の山々が似合います
O2ファームHP

NPO法人 田舎のヒロインズ とは?
さて、エリさんが理事長をなさっている田舎のヒロインズ。
前身は「田舎のヒロインわくわくネットワーク」という団体で、1994年に農を営む女性たちが中心となって結成されたものでした。これを2014年に受け継いだ大津さん。団体名と体制を刷新し、役員を40代以下の現役若手女性農業者とし、農を営む女性が、自ら考え、行動し、社会に訴えかけていくという意識を受け継いで再スタートを切ったそうです。
エリさんがやりたいと思っていたエネルギー関連の活動ではなく、女性農業者のための活動になった経緯とその効果とは?
田舎のヒロインズさんの活動は多岐に渡っています。以下のリンクからぜひご覧ください!
NPO法人田舎のヒロインズHP

Youtube
オンラインセミナーなどが配信されています
書籍
Amazonより購入可能。SDGsがスタンダードになってきている今、持続可能な社会に向けて、田舎のヒロインズとその活動を応援してくれる皆様によるエッセイをまとめた本です。
取材後期
エリさんの住む阿蘇地域は、国連の機関であるFAO(国連食糧農業機関)により「世界農業遺産」に認定されています。この認定にかかる国際会議で英語でプレゼンテーションを行い認定に貢献したのも、なんとエリさんご自身。この地域を大切に思い、そのポテンシャルを誰よりも評価しているからこその確固とした理念を持っていらっしゃるんだなと強く感じました。
これからO2ファームさんはこの地の原風景を形作り、人間が生きる根幹を支えるランドスケープを遺すことにつながる農業を目標に進んでいかれるそうです。
自分の農業の形はどこに向かおうとしているのか、単に数字やアクセス数を追うのではなく、エリさんのような広い視野を持って、じっくり考えていけたらと思いました。
季節によって違った顔を見せる水田風景。水面に映る山や木々の美しいこと!
次回は石垣島の和牛繁殖農家、真栄城美保子さんにお話を伺います。
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