取材&編集後期
株式会社クリエーションWEB PLANNINNG 深川沙央里さん
水産女子、農業女子…。同じ一次産業女子として今回お話を聞いたのが深川さん。
この「女子」くくりにも微妙な違和感をもつようになってきた今日この頃ですが、配信を聞いていただいた後は、性別にこだわることになんの意味があるのかと思えますし、性別を盾にして、その人ができることとできないことを誰が決めるのだろうとも思いました。
農業においても同じように女性の立場が低く感じられがちですが、深川さんがどのように動いてこられたのか、ぜひお聞きください!
天草への愛がダダ漏れです!
今⽇の海が豊かなのは、昨⽇の海のおかげ。 明⽇の海がうつくしいのは、今⽇の海のおかげ。 海と⽣きる⼈々は、今⽇だけでなく昨⽇の海に感謝をし、明⽇の海に想いを馳せながら、⽇々営みを続けています。 願わくばずっと、島の豊かさが 地域の⼈の満ち⾜りた⼈⽣とイコールであるように。 このうつくしい島が、⼦どもたちの⼦どもたちの⼦どもたちまでずっと⽣きやすく暮らしやすい場所であるように。 それは⼀⼈ではなく、地域のみんなでつくる未来。
これは深川さんの会社のトップページに書かれている文章です。
今回のインタビューの中で、私たちが終始感じていたことは「天草愛」。深川さんがどんなにこの地域を愛しているのかということが、ひしひしと伝わってくる内容となりました。
私は幼少の頃から転勤族で故郷といえる場所がなく、夫の実家である今住んでいるこの地も決して好きとは言えない状況なので、心から羨ましく感じながら拝聴しました。
天草の網元出身
天草市出身の深川さん。ご実家は網元で、幼少の頃から水産業が身近にある環境で育ったそうです。水産業における女性の立ち位置は、想像以上に厳しいものでした。昔から、船には女性を乗せてはいけない、女性に何ができるのかという業界に対して疑問をもちながらも、それを自身の行動力と、そこに魅かれていく協力者の力によって、解決していく姿が印象的でした。
漁業に関することだけではなくて、大好きな天草市全体が良くなっていって、子供たちが安心してこの地で成長することができるようにしたいという深川さん。
もう、「天草の母」と言ってしまっても良いのではないかと思ってしまいました!
メインは車海老の養殖事業。女性でもできるような仕組みづくり
女性でも安全に養殖事業を続けることができるようにと、自社の養殖場をどんどん改良してきました。長年の経験と勘や体力によることだけではなく、より効率的にエビデンスのあるデータをもとにした養殖技術の開発をしています。センサーで温度や酸素量を計測し「長時間もぐってエビの様子を観察しなければならない」というこれまでの常識をくつがえした養殖技術を汎用化して、仕組み化することで、天草と養殖界全体の発展を目指していらっしゃいました。
加工品も手掛ける
天草産車海老の味噌と身をふんだんに使用し、有機たまねぎ、にんにく、国産バターと合わせた車海老のパテ。加工品を手掛けることで、規格外で破棄してしまう車海老をなくすことができたそうです。
一般の消費者が購入できる場所
深川さんの会社でたちあげた、天草のECサイト
深川さんの会社の商品だけではなく、天草の他の事業者さんの海の幸、山の幸、果物、加工品などたくさんの商品が掲載されています。
活きたままの車海老、急速冷凍した車海老のどちらとも購入可。お正月やパーティーに
こちらのページから、ふるさと納税のサイトへの案内もされています。
取材後期
「2男3女のシンママ社長、水産女子の先駆けとなる 100年後の天草と未来の子どもたちへ」という題名の著書をお持ちの深川さん。
インタビューの中でもお話しされていますが、自分が先駆けなのではなく、過去たくさんの先輩女性漁業者たちの努力によって今自分が動くことができるようになっているのだ、と話されていたことが印象的でした。
この書籍には、今回のお話がより詳しく書かれていますので、ぜひご一読ください!
時代のトップランナーたることを求められる中、さまざまな障壁を乗り越えるにはかなりのパワーが必要だったのではないかと思いますが、苦労話ではなくて軽やかにその過程を話される深川さんを尊敬するとともに、ファンになってしまいました!!
深川さんのブログはこちらです
次回は鹿児島県姶良市在住の新規就農、佐藤絵梨さんにお話を伺います。
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