農水産女子 三重県鈴鹿市 吉川文さん
農水省の「農業女子プロジェクト」と水産庁の「水産女子の元気プロジェクト」の両方に所属するただ一人のひと…、吉川文さん。
こだわり野菜栽培ユニット Sweet Porake(すいーとぽたけ)として露地野菜を生産しつつ、地元では魚の捌き方教室の講師を務めているそうです。更には「わな」を使った狩猟も!?
こだわり野菜栽培ユニット すいーとぽたけ のスタート
東日本大震災のあった2011年に就農。自分の子供たちに安心・安全なものを食べさせたいということもきっかけとなり、ご実家のお母様と一緒に家庭菜園からスタートしたそうです。ただ、吉川さんは家庭菜園で留まることはありませんでした。もともと、河川や土壌、大気といった自然環境における環境分析を専門にお仕事をされていた吉川さん。その知識を活かして化学的に土壌を把握して施肥をするなど、効率的な栽培を進めていきます。かつては百数十種類の品目を栽培していたとのこと!現在は少し減ったとのことですが、それでも露地栽培で多くの品種の野菜を生産しています。
現代農業の表紙の人!!
多くの農業者が読んでいる「現代農業」。 2023年3月号読みました?そして表紙の女性、覚えていますか?そう!あの人がこの吉川文さんです。
「白衣をつなぎに、試験管を鍬に持ち替え」た吉川さんは、ご自身でも簡易キットを用いて土壌分析をし、さらに専門機関のデータと照らし合わせながら施肥設計されているそうです。
狩猟をはじめたきっかけ
自分の畑を荒らす動物たちから、生産物を守るために始めた狩猟。もう10年ほどのキャリアを持っているそうです。かかった動物はもちろんご自身で食肉用に処理することもできるそうです!現在は主に「わな」猟を行っているとのこと。毎朝、芝犬の小豆ちゃんとともにわなをしかけた山に入り、パトロールをするのがルーティンです。
農業女子?水産女子?三重県食魚リーダーも
前職の時に、牡蠣殻に関する調査で養殖業者さんと出会ったことをきっかけに、漁業ともつながりを持つことになりました。県の食魚リーダーとして、魚の捌き方教室の講師を務めておられます。
駆除対象となった動物も食肉用へ処理することができる吉川さんにとっては、魚を捌くこともお手のもの。「農家でも捌ける!」という言葉で、魚を扱うことへのハードルもぐっと下げてくれます。
また、水産庁の「水産女子の元気プロジェクト」にも参加していて、農業と水産業と両方の視点からの両産業を支える活動をなさっています。
多岐にわたる活動、でも一番は…畑!
さまざまなフィールドでご活躍されている吉川さんですが、やはり畑が一番好きだし、農業が中心にあるからこそ派生してくる活動だそうです。
中でも最も好きな作業は「育苗」。たくさんの種類の苗を管理するのはものすごく大変じゃないかと思うのですが、前職で培った知識とこれまでの経験による技術とで、ハウスの中でその成長をコントロールしつつ、成功のための道筋を自分でつけて完成させていく作業に魅力を感じられるとのこと。成功も失敗もその後の対応も、全て自分次第でできることが農業の醍醐味とおっしゃっていました!
吉川さんの農園情報
こだわり野菜栽培ユニット Sweet Porake(すいーとぽたけ)
水産庁「水産女子の元気プロジェクト」
東京水産振興会での特集記事
取材後期
農業者インタビューなのに…。吉川さんは盛りだくさんの話題を持っていらっしゃるので、農業以外の話の方が多くなってしまいました!農業の仕事、魚食普及の仕事、そして狩猟と、全てが吉川さんのライフワークであって、人生を充実させるものになっているのを感じました。
お子さんが3人いらして、国の審議委員もやって、毎日山に畑にと移動して、水産振興もするし、狩猟の後継者も育てつつ、それなのに趣味も楽しむ余裕があって…!どうやって暮らしているのか覗きにいきたい、毎日がキャパオーバーな私です…。農繁期、皆様どうかご自愛くださいね。
次回は山口県在住で情熱農家プロジェクトtoppin(とっぴん)を立ち上げて活動している 才木祥子さんと、佐藤美加さんにお話を伺います。
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